クロジ 第17回公演 「いと恋めやも」 感想2
いと恋めやも 感想2
舞台全体の感想を書いて満足していたのに、パンフレットを読み直す過程で、登場人物への愛が溢れてしまい、止まらないので登場人物への感想をつらつらと書いていきます。
登場人物が皆さん魅力的なんです。
緋桜院 鴇忠(平野良さん)
緋桜院家の次男の鴇忠さんの性格はお屋敷のご当主というだけあって、厳格で冷静沈着。なのに所々にじみ出るお茶目さとか愛嬌溢れる動きとか、少し浮き世離れしている思考とか好きなお酒の銘柄にこだわりがありまくりなところとかで完璧すぎないところはやっぱり次男なんだなと思います。それか、にじみ出る平野良さんのお人柄なのか。
とりあえず、鴇忠さんは最初から最後まで優しいんですよね。しかも、最初からたぶんつつじちゃんのことが好きなんですよね。最初の内はきつめにあたりますけど、二人きりの時は基本つつじちゃんの話をよくきいてくれるし、結婚初夜はつつじちゃんを気にして、自分は外で寝るから自分の部屋で寝ろと自分からわざわざ出て行きますし・・・・・・。
人として、つつじちゃんと一緒にいたかったんですよね。
だから彼女に人間らしいって言われて嬉しそうに悲しんでたんですよね。
最高な男ですよ。鴇忠さん。
あと、これは平野さんとしてなのか鴇忠さんとしてなのかわからないですけど、
カーテンコールの時にずーっとつつじちゃんを気にしていて、最後二人で歩いて舞台中央から出て行くときに背中を押すようにレディファーストしてくれる姿にすごく感動しました。
山部つつじ(福圓美里さん)
私が観劇した回は福圓さんのつつじちゃんでした。
もう本当に健気で働き者で、優しくてかわいい。
鴇忠さんのちょっとした愛情表現に照れたり、笑ったり、怒ったり
朝ドラヒロインなみに好感度高かったです。
芯の強さと愛の深さと優しさが体現されてて、本当に太陽のような人で
大好きです。
つつじちゃんがじわじわと鴇忠さんが好きになっていってる様子がわかってすごく良かったです。いや、つつじちゃんは初対面で鴇忠さんには惚れていたのかなと思いつつ、好きだと気付くのが遅いのがまたつつじちゃんぽくて良かったです。
人ではない鴇忠さんを愛していて、それは揺るがない事実であるからこそ、この先に待っている未来は絶望しかないってみんなに言われて
その返しが私は未来に期待している(こんなニュアンス)っていう台詞がもう彼女の生き様そのもの過ぎて泣きました。
過去の私が繋いだ愛を未来の私が繋げないはずがないと言わんばかりのまっすぐさがすごい衝撃で、福圓さんのまっすぐな声音がまたさらに威力を増してくれてました。
緋桜院 茜(三石琴乃さん)
鴇忠さん達のお母さん。
三石さん!!!!とても良かったです。
この方に関しては本当に良かったとしか言葉が見つからない。
妖艶かつ、優美で、どこか無情なのに愛情が溢れていて、茜という役柄自体矛盾の塊みたいな複雑なのにそれを繊細に体現されてました。
穏やかな雰囲気と声の中に場面に応じた喜怒哀楽が含まれていて人ではなく死ぬことが出来ず何年何十年何百年過ごしてきた孤独とか無限の時間の怖さとかがなんとなく伝わってきてしまうような雰囲気がすごい。
三石さん自体何者なのかって感じでした。
茜も愛されたかっただけなのかなぁと思うばかり、愛されることを知らないが故に愛を与える側はいつまで経っても愛を与える側にしかなれないのかなと思います。
そこがかなしい。
(家族には愛されていたと思いますけど、家族も愛する事の意味がわかってなさそうだから無限ループ)
緋桜院 雀(松崎亜希子さん)
雀さん・・・・・・。私一番この人好き!と思った。
多分、この人が一番いと恋めやもの世界で人間だった気がする。
そして、松崎さんめちゃくちゃ芝居が上手いんだなと思った。
役柄的にかもしれないんですけど、喜怒哀楽の強弱が秀逸。テンポとか雰囲気とか見せ方とかすごい。
雀さんは夢見る少女で、愛されたくて、愛したくて、幸せになりたくて、っていう女の子中の女の子。
趣味は刺繍なのに破天荒な振る舞い故、周りに恥ずかしくていえないところとか、男女平等の考えがすごく近代的で聡明。ただ、人を食べちゃう事だけが足かせになってしまってるところが無情。人を食べてしまう自分に幻滅してるのに、食べないと生きていけないこともわかってるし、運命の恋人に出会いたいと願いつつも恋人はそれはもう美味しそうに見えてしまうから本能的に止められない。
雀ちゃんは聡明なんです。だからこそ、しんどい。
来世は人間に生まれてきてくれるといいなと願うばかり。
緋桜院 蘇芳(沖野 晃司さん)
蘇芳さんは自由気ままで、ムードメーカーで、どこか不器用。
鴇忠さんの感想を書いたときに冷静沈着で完璧過ぎないところが次男らしいって書いたんですけど、蘇芳さんは逆です。
放浪癖があって、自由気ままで、ムードメーカーな彼は誰にでもいい顔をして、常時冗談を言ったりしていますが、根は真面目で完璧主義。
婚約者の香さんを食べた時、彼女が自分から離れて行こうとしたことがきっかけだったけれども、彼は真面目で完璧主義、間違った選択肢は踏みたくないという本心と向き合うことにけっこう体力を使ってしまう性格だと思うので自分の気持ちを言葉にするのに時間がかかってしまうことがわかっていたからこそ、香さんを食べるという結末になってしまったのではないかなぁと思います。自由気ままの仮面を被っていた方が楽だったんですよねって感じで本心に向き合わないといけなくなった後半は精神的に壊れていくのが本当に早かったですね。
この長男と次男の対比もすごく良かったです。
愛に対して自分なりの正解をもっているが故に相手の間違いを許せない長男と
愛に対してとても繊細に向き合っているからこそ、相手を受け入れたい次男。
沖野さんの蘇芳に対する歩み寄りがすごいのかな、前半と後半の細かな人格の演じ分けがすごい。
春日 香(牧野由衣さん)
蘇芳さんの婚約者。
体が弱くて、家から出してもらえなかったけれど、蘇芳と駆け落ちという形で家から出る。世間知らずのお嬢さん。
この人の世間知らずの箱入り娘感が良かった。
立ち姿にしても、お顔にしても話し方にしても品があって、愛嬌があって、つつじちゃんとの対比としてすごく目立ってた。
ただ、世間知らず故に恋に恋してしまい、相手を本当に見る事は出来なかったんだろうなぁと思います。(これは蘇芳さんも同じ)
この二人に関しては鴇忠さんとつつじちゃんとの愛の形とまったく違ってここでも対比があってよかったし残酷なくらいの対比。
私的には蘇芳さんも香さんも好きになった理由は顔ですって言うのは台詞の中であって、私はギャグかなぐらいの気持ちで聞いていたんですけど、実際は本当にそうだったのかと思わざる得ないですね。香さんも蘇芳さんも自分好みの喋る人形がほしくて、お互いがお互いに恋に恋して、愛に愛してしまったからあっけない最期だったのかなと思います。
緋桜院 長治(三原一太さん)
この人は本当にクセが強い。
三原さんの分析力というのか解釈というのか本当にいい意味でクセが強い。
THE神経質、THE嫌な奴。
この雰囲気を出せるのはすごい。
役者さんすごい。
何も台詞がなくても神経質で嫌な奴という雰囲気をあふれ出させていた。
つつじちゃんに嫌みばっかり言うし、態度は悪いしと印象は最悪なのに、
妹の撫子に向ける表情と化石に対する愛は本物かつ、純粋。
むしろ、純粋に愛しいものを目の前にしたときの長春さんは魅力的。
馬鹿みたいに素直で、従順。これぞ、GAP。
兄弟の中で一番優しく、繊細なのは彼だと思う。
ただ、人の嫌な部分を兄、姉を通して見ている分嫌悪感がすごいんだろうなって思います。多分、兄姉であっても嫌悪感の対象で、何も知らない妹の撫子の目にはそんな嫌悪感溢れるものは見せたくないし、見てほしくないと思っていて、現状綺麗な妹は彼にとって唯一の恋愛対象なんだろうなって感じ。
緋桜院 撫子(小日向茜さん)
THE幼女、THE妹。
自分のかわいさと自分の性格と自分の立場を存分に理解した上で生きている女の子。
良い意味で小悪魔。
生きることにたいして器用。
兄弟の中では一番器用で聡い。
性格も口も悪いけど、人を選んでる感じが姑息。でも、かわいいから許すってなる。
でも、彼女は生死に関しては無頓着そう。
ただ、苦しいとかつらいとかは耐えられなくてそのときそのときが楽しくあればいいと思っている子だと思う。
彼女の愛の形は自分にしかないんだろうな。
自分が良ければそれが愛で、愛されたいけど、自分からは自分しか愛しません。
末っ子っぽい。
とりあえず、緋桜院家とつつじちゃんの感想をつらつらと書いてみました。
様々な愛の形がある中で、愛の形が同じだった人同士が上手くいくんだろうなと思いました。
つつじちゃんと鴇忠さんは
一緒に生きていたいという形が同じだったからあの結末だったのかと思います。
この物語がハッピーエンドなのかバットエンドなのかは観る人によって様々だとは思いますが、私はハッピーエンドであってほしいと願うばかりです。
いと恋めやもの感想はこれにて終わりです。
次回のクロジさんの公演も観に行きたいです。
クロジ 第17回公演 「いと恋めやも」 感想
お久しぶりのブログになります。
8月25日に
クロジさんの「いと恋めやも」のソワレ公演を観劇してきました。
公演から少し時間が経ってしまいましたが、感想です。
クロジさんの公演は今回初めての観劇でした。
☆千秋楽を迎えているとはいえ、公演内容をつらつら語りますので
舞台内容バレは困るという方はここで読むのを控えて頂くことをおすすめします。
さて、感想になります。
いつものごとく、些細なところから。
会場は全労済ホール/スペースゼロという劇場です。
新宿駅南口から歩いて10分もかからないところではありますが、私は道に迷いました。うっかり正反対をあるいており、自分の方向音痴さにあきれました。
何はともあれ、到着して着席。
スペースゼロはいろいろな演劇作品で使われているのですが、案外キャパという点では小さめな印象は受けます。
なので、こぢんまりとしていて、座席も高そうなパイプ椅子のような感じです。
客席は列ごとに段差になっていて、見やすいし、なんとなく客席の前後も広めで開放感がありました。今回の座席は真ん中の列の下手よりでした。以前、スペースゼロで観劇した際は最後列だったのですが、あまり見にくい感じたことはなかったのでどの席でも見やすいのかなと思います。
さて、着席して目に飛び込んできたのは豪華な舞台美術。
満開の桜がしだれているだけでも妖艶なのに、どこかのお屋敷の内装をイメージさせる豪勢な造りはもう始まる前から期待値がグングンあがります。
もう舞台美術の世界観だけでチケットの7000円の価値があるなと感動。
時間は流れて、いよいよ開演。
私がいつも観に行く舞台は比較的女性が多い印象だったのですが、今回は多分男性の方が多いような感じがしました。
内容は
兄と二人で暮らしている畑仕事を生業とする田舎娘の妹つつじ。
今の生活になにも不満のないつつじですが、女としての将来を心配した兄、甚三があの手この手をつかい名家と名高いが、あまり情報の少ない緋桜院家の次男鴇忠とのお見合いを取り付けることに成功しました。
あまり気の乗らないつつじも兄の勢いに押されてお見合いに出席します。
お屋敷は人気の少ないところに建ち、季節外れの桜が咲き乱れる怪しい様につつじはお見合いを断りますが、お見合い相手の母、茜に気に入られ嫁入りする事になります。
夫、鴇忠からは避けられたり、長女雀からは相手にされなかったり、三男長春からは大根とからかわれたり、次女撫子からは悪口を言われたり、緋桜院家になじめない日々を過ごしていくのですが、働き者で、裏表のないまっすぐなつつじの人柄に徐々に周りがつつじを受け入れ初め、鴇忠とも仲良くなっていきます。
ただ、不穏な一言に少しずつ空気が変わりはじめます。
「深夜12時以降は部屋から出ないこと」
母、茜から言われたことばに疑いもなく従って行く日々。
そんな中、長期不在だった長男蘇芳が帰宅。
婚約者と名乗る香と一緒に。
時を同じくして、長女、雀も運命の人に出会ったと愛の喜びに日々胸を躍らせる。
鴇忠とつつじもまたお互いの距離を縮め、夫婦になれるように歩みよっていく。
そんな幸せムードも長くは続かず、ある日雀は運命の人との逢瀬の後、魂の抜けたようにふらふらと屋敷に戻るとその姿は血まみれ。
「食べてしまった」とぼそぼそと話します。
涙を流し、後悔と悲しみに溺れる姿を蘇芳と鴇忠は見逃さない。
雀を慰める母、茜はしきりに仕方ない大丈夫と繰り返し、なにも発さないが蘇芳は天を仰ぎ、鴇忠はゆっくりと頭を抱える。
蘇芳、鴇忠、雀は兄妹で酒を飲み、その穏やかな様子は事の収束の現れかと思いきや、
今度は蘇芳が婚約者である香を食べてしまう。
それも我を忘れて・・・・・・。その光景を目の当たりにしてしまったつつじはパニック。
鴇忠がすかざずフォローにはいりますが、時既に遅し、鴇忠を拒絶するつつじ。
鴇忠は一言「つつじと離縁する」と伝え、つつじは一目散に屋敷を飛び出します。
つつじは実家に戻りますが、ふさぎ込んでしまします。
しかし、それは鴇忠も同じ事で部屋から出てこなくなってしまう。
事実、緋桜院家は人を食べないと生きていけない鬼だったのです。
その事実はつつじを追い詰め、鴇忠も追い詰め、蘇芳を壊します。
また、この事実が公にならず、緋桜院家が存続できていたのは鴇忠の働きが大きかったのです。
人知れず、人を殺めて食卓に出し、人知れずすべてを行う。
その系図が崩壊し、家族もめちゃくちゃ、三男の長治が白昼堂々人を襲い、蘇芳が緋桜院の秘密を世間に暴露し、世間に露呈する事実。世間が許すはずのない非道に立ち上がり、緋桜院家に襲いかかってきます。
つつじはそんな状況下、このままではいけないと自分を奮い立たせ鴇忠と話し合うためにふたたびお屋敷に向かいます。
何度話しかけても出てこない鴇忠に話かけ続け、姿を現した鴇忠はもはや人の形をしておらず、化け物になっています。
お屋敷への襲撃。
お屋敷をなくそうと放たれる火。
窮地の中でつつじと鴇忠はついにわかり合う。
という内容でした。
(ところどころ端折ってますが、こんな感じ)
初めて観劇させて頂いたクロジさん。
全体の感想としては演技力の殴り合いでした。
各々の演技力の高さ故に作り出される登場人物の見えない過去というか、根底にある性格がにじみでていて圧巻でした。
2時間30分が重厚で濃厚でした。
舞台上では描かれていないはずの登場人物の内心が溢れて溢れてすごい。
芝居が細かい。
登場人物の各役者の細かすぎるこだわりが、世界観を緻密に作り上げていたように思います。
妖艶で緻密で、暴力的。
登場人物みんなが違う形の愛をもっていて、それぞれの愛をどう表現しているのかの対比だったり、類似だったりすごく荒唐無稽なものに命をかけて向き合う様が美しい舞台でした。
DVDが出るのであれば今度は落ち着いてゆっくり見たいと思います。
とりあえず、全体の感想はここまでで
完
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」個人的考察
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」個人的考察
舞台の感想と役者さんへの感想を1日1ページずつ書いて、ようやく個人的な考察を書けるというろまできたのに、
今度は私の記憶が・・・・・・曖昧になってきました。
それでは私の思ったことをつらつら綴っていきます。
(私の刀ステ知識は恥ずかしながら、
燃える本能寺初演と再演しかありませんので、あしからず)
さて、悲伝の考察としては
個人的には3つのテーマかなと思います。
「悲伝である意味」
「鵺と呼ばれる存在について」
「結いの目の不如帰とは誰なのか」
様々なところで刀ステの集大成と言われている今作。
ひたすらに不穏で不審で重くて、頭の中がぐるぐるし続けてました。
少しでも理解しようと頭を絞ってみました。
まず、「悲伝である意味」
私は内容的にも悲しいを主軸においた物語であるが故に悲伝なんだなぁと観劇後は思ってました。
確かに、劇中にも「心が非ずでかなしい」と台詞があったように誰にも救いがなくただ、歴史の糸(意図)に流されるまま終焉にむかって行く様はまさしく悲伝。
でも、集大成と言われる今作がそんなありきたりな意味であるのかとひっかかりがありました。(深読みしすぎかもしれませんが・・・・・・)
ふと、小烏丸様の劇中最後に
心が非ずでかなしいはずなのに、心があってもかなしいとは矛盾というような台詞を思い出しました。
心が非ずでかなしい、心があってもかなしいとは矛盾といっても、そもそも刀に心を宿している時点で存在の矛盾でもあるわけでと考えて、
もしかして、心が非ずが伝えるという意味で
「刀の物語」という意味なのではないでしょうか。
悲という字面をみると喜怒哀楽の感情で読み取ってしまいがちですが、
悲=刀なのではないかと思います。
二つ目は「鵺と呼ばれる存在について」
足利義輝の所有の刀が寄り集まり義輝の根底の悔恨、歴史修正の力の余波等から生まれ出た刀剣男士(仮)(存在の誕生の仕方については謎ですが)
最初は言葉をしゃべることもままならない。
カタコトにヨシテルサマ、マモル、シナセナイしか発しません。
様々な時代で刀剣男士と戦うことによって経験値を上げていき、ついには
義輝様から不如帰という名前を頂くことによって複数の刀の人格を所有し、不安定になっていた自我がまとまります。
一人前の刀剣男士(仮)になり、義輝様を守るために奮闘します。
鵺と呼ばれる刀剣男士はいったい何者なのか。敵か味方か・・・・・・。
私は鵺=三日月宗近だと思っているんです。
鵺は後に義輝様から不如帰という名を頂きます。
不如帰とは義輝様曰く、死者を迎えに来る黄泉からの遣いであり、帰りたい、帰りたくないと解釈できる曖昧なものというようなことを言っておりました。
それに義輝様の辞世の句でも用いられているところを見ると義輝様自身不如帰がすきなんだろうなと思います。だから意味なく名付けたんだろうと思うことは簡単なのですが、またも引っかかりがあって。
冒頭で三日月さんに対してお前が不如帰か?と義輝様が言うんですよね。
これだけならば、死ぬ間際に出くわしただけに黄泉の遣いということで理解は出来たんですが、終盤で鵺が「はは、笑っている場合ではないな」って戦いの最中呟くんですよね。
あれ、この台詞聞いたことあるぞ。
というところで三日月さんが思い当たるんですよね。
(こころなし、その台詞の後の鵺さんの立ち回りが三日月さんと似ているような・・・・・・)
なので、鵺の存在は当時の三日月さんなのではないかなぁというのが私の考えです。
三日月さんが何度も鵺を見逃してはあの存在に期待していると言っているのが、
あの日の自分が義輝様と戦っていたらどうなっていたのだろうと見届けたい気持ちが強いんじゃないかなと思います。(歴史的に何かを期待しているわけではない気がします。ここは三日月さんの普段は絶対見せない感情の根っこの部分なんじゃないかなぁ)
結局は刀剣男士によって義輝様の悲願は叶えられないところが苦しいです。
「結いの目の不如帰とは誰なのか」
最後にこちら。
ではサブタイの結い目の不如帰とは誰のことなのか。
劇中の結いの目の意味としては歴史を一本の糸としたときに
多くの時代を幾度となく出陣してきた今回は三日月宗近が歴史の一種の特異点として作用してしまっているために、弊害がでている。
三日月さんの存在自体を結いの目と言っていたように記憶しています。
今回の結いの目は三日月さんだった訳ですが、不如帰・・・・・・?
不如帰も三日月さんなの?と私の短絡的な頭はそう思い込もうとしますが、冷静になって考えると私は一振りしか該当しない気がします。
そもそも、結いの目、結いとは結びということでよく文章が終わる頃合いに結びと言いますし、何かを終了させるとき完結を使うように終わりの意味だと仮定すると、結いの目=終わりの場面とします。
公演内で何度も終わりの場面があります。敵の死、義輝の最期、黒甲冑の最期、三日月の刀解。その場面に常に居合わせていたのは初演から出ている山姥切国広ではなく、今回初参加の小烏丸様なのです。
よくよく思い返すと場面が盛り上がるタイミングには必ず小烏丸様がいるんですよね。
小烏丸様=結い目の不如帰ではないでしょうか。
どこかのタイミングで小烏丸様が
自分の力が必要になるときだなみたいな事をいっていて、
練度も経験値もあまりないのに戦闘力が高くて、大包平さんに化け物と呼ばれるところをみるとただ者じゃないです。
一つ思う事としては歴史の一種の特異点になるほどの結いの目が現れる時に小烏丸様はその本丸に顕現されるのではないかと思うばかりです。
そう思うと少し恐ろしいです。
結いの目システムは2人1組で継続していくものでもあるのかなと思います。
今回は三日月宗近と山姥切国広の物語を主軸に三日月さん(結いの目)を断ち切るものとして山姥切さんがいて結いの目を終了させる。(台詞の月と煤けた太陽という比喩が素晴らしかったです)
今度は山姥切国広が後の結いの目として存在し、断ち切る存在待ちになるのでしょう。それを見守っていくのが小烏丸様ということなのではないでしょうか。
今回は三日月さんと山姥切さんのお話。
他の本丸ではまた違う刀剣がその任を担うとすると刀剣乱舞っていうシステムは本当に残酷かつ、孤独だなと思うばかりです。
審神者様自身もご存じだったら、また闇が深いなと思います。
この結いの目システムをふまえて悲伝(刀の物語)とするのであれば
演出脚本末満さんに頭が上がりません。
さいごにこれは個人的な考察であり、裏付けも曖昧な感じが多いですが、こういう感じなのかなと一種の悲伝の楽しみ方として書かせて頂きました。
これにて、考察 完!
長々とありがとうございました!
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」感想 弐
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」感想 弐
前回の感想は主に公演の内容について書きました。
今回は弐として、役者さんの感想を綴ります。
舞台 刀剣乱舞の各役者さんの作り込みとアンサンブルさんの完成度の高さは圧巻です。
某プリズムのきらめきが半端ない映画の主題歌の歌詞が本当に当てはまる。
「ありがとうのかわりに好きって言わせて~」
好きです。としか言い様がないです。
メインキャラは言わずもがな、ありのままの二次元を三次元で成立させているわけですが、時間遡行軍の動きや見た目もありのまま二次元を三次元再現って、普通出来ひんやん!刀ステ半端ないってと叫びたくなってしまいます。
総評としては役者さん個人のポテンシャルがそもそも高いかつ、キャラに寄せる意識に甘えがないって感じです。
※あくまで個人的な感想です。
もう個人別では感想書かないと思っていたのに書かずにはいられない。
それでは語っていきます。
鈴木拡樹さん(三日月宗近役)
・THE 三日月宗近。佇まいと雰囲気の作り方がぶれない。このぶれなさが本来、刀であるという事を実感させてくれる。いい意味で無機質な人間。
・憂い、悲しみなどの含みをもたせた芝居が秀逸で、感情の緩急が国宝。
・体力オバケ(今回の公演は最初から最後まで刀を振り続けていた)
荒牧慶彦さん(山姥切国広役)
・殺陣にしなやかさと泥臭さを共存させていて、綺麗なだけではない、いい意味で汗臭さのある動きがどこか愛嬌があって、山姥切さんの人(刀)の良さを体現されている。
・感情が大きく動くときの芝居が普段の刀らしく生きている時と差があって、前述した鈴木さんとは違って人間味のある芝居が温かい。
・初演の時の印象とまるで違って、力強いまんばちゃん
三津谷亮さん(骨喰藤四郎)
・立ち姿とお声はゲームそのもの。姿勢の良さと立ち姿のスマートさで儚さを体現してしまうところは必見。
・殺陣に足技が多く、俊敏、無駄な動きがなさすぎて、彼は心はあれど、一貫して刀なんだなと思わされる。
・鯰尾くんと共闘するところが見たいので是非続投して頂けると願ったり、叶ったり
(記憶が戻るといいですねと応援したい)
椎名鯛造さん(不動行光役)
・椎名さんの身軽さは天下一品。短刀かつ、数多くの敵に対峙しても全く引けを取らない立ち回り、短刀故に敵の懐に入り込んでの戦う事が多いので運動量も多いところは感服。
・極の不動くんと修行前の不動くんの演じ分けがわかりやすい!極の不動くんかっこいいです。
・ダイナミックな動きを備えつつも、周りを見て繊細に心の動きを表現されていました。
和田雅成さん(へし切り長谷部役)
・頭からつま先まで生真面目さで包みましたと言わんばかりの芝居は紛れもなくへし切り長谷部で台詞の端々に怒りと正論と優しさの感情をどことなく忍ばせている感じが好きです。
・極修行の時は少し生真面目さを脱ぎすてて、素の長谷部さんに大人の色気を感じずにはいられませんでした。(オンオフの分け方が慎ましくて好きです)
・揺るぎない忠誠心と揺るぎない正義感をありがとうございました。
・優雅さと雰囲気、お声、情緒豊かな台詞まわしはゲームそのもの。
・お節介は野暮なことだと思っていながらも、世話焼きな性格が災いしてちぐはぐな感情に振り回されている感じがとてもコミカルでかわいくて、ころころ変わる表情がとても魅力的です。
・内番服姿がかわいいがすぎました。
健人さん(鶴丸国永役)
・驚かせてやりたい!自らも驚きたい!という陽気な鶴丸ではなく、
少し影をもった儚げな鶴丸さん。驚きも何もかも、相手を思ってこその結果で大切な人たちの気持ちを救えるのは驚きしかないのではないかと元は刀であるがための不器用さを兼ね備えているように思った。
・優しみが強い
・殺陣がトリッキーで見ていてわくわくする。まるで剣舞
・存在が燭台切光忠ご本人。声も身体も動きも光忠さんが東さんなのか、東さんが光忠さんなのかはもはや哲学レベル。
・厨ミュージカル中のビブラートは必聴!
・東さんの優しさをいろんな形で表現される芝居は圧倒されます。やさしさってなんだろうって感じです。(いつも他の人の事で悩んでいるが故に自分のこととなると自分の存在が不安定になりすぎちゃうところとかすごいです)
川上将大さん(大般若長光役)
・足が長すぎる。存在が二次元。
・三木眞一郎さんリスペクトされているのがとてもわかる。そしてどんなに動いていても意識的に崩さないように台詞まわしをしてくださっている。
・気配りに余念がなく、常に周りをみて一呼吸おいてから話出す姿と雰囲気が頼りになる感じがすごい。
前山剛久さん(鶯丸役)
・あなたが鶯丸さんで良かったです。お茶目さとマイペースさとそつなく戦ってしまう姿が鶯丸さんでした。
・良い意味であまり目立たず、その場に溶け込んでしまう飄々さ、雰囲気、それでいて経験値としては充分といった感じがたまらないです。
・お茶をすする姿がとても愛らしいです。
・立ち姿がゲームそのもの。仁王立ちする姿でさえ勇ましさが伝わってきます。
・少し固さのある立ち回り、でもその無骨さがまっすぐな大包平だなぁとも思ってます。
・揺るぎない猪突猛進差さと声の張りがすごい。鼓膜ダイレクトを感じて下さい。
玉城裕規さん(小烏丸役)
・圧倒的父上。すべてを包み込む雰囲気と優雅すぎる殺陣からは目が離せない。
・三日月さんに並ぶ、安心感と存在感。
・神秘的なお姿はまさに付喪神様。小烏丸様を表現できるのは玉城さんしかいないのではと思います。
・厳かな雰囲気と包容力のある芝居は必見。既存キャラではないものの存在の大きさは役者さんの力量を感じずにはいられない。
・なぎなたを軽々と振るうお姿はまさに鬼神。刀剣男士ではないけれど、殺陣は必見です。
・刀剣男士や鵺に対して慈愛に満ちたやりとりは舞台の内容的には苦しく悲しいはずなのに、顕現前にここに数ある刀剣達を所有していたことにどこか安心してしまいました。
碓井将大さん(鵺と呼ばれるもの役)
・鵺の自我の芽生え前後の芝居がすごい。感情が時間と経験値が上がるにつれまとまり、成熟する体現を見てください。鵺の繊細な心の動きをみんなみてください。
・足利義輝を慕う姿が健気で、敵である存在のはずなのに敵とまで思えず、むしろ成長を見届けてあげたいと切ない気持ちにしてくれます。
・役柄的にはあまり刀の経験値はないのですが、殺陣とても綺麗です。とても綺麗な刀なんだろうなぁと思うばかりです。
という感じでメインキャラだけでも感想をと綴ってみました。
書いてみて思うこととしては、どのキャラ、役者さんを切り取って見たとしても
大満足な結果になるのではないかということですね。
私も回数が許すならば、各公演、集中して見る人を決めて観劇したいというのが本音です。
結論、目が足りない事件になるんですけど・・・・・・。
それでは、これにて感想弐 完!
長々とありがとうございました。
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」感想
舞台「刀剣乱舞 悲伝 結いの目の不如帰」感想
お久しぶりの更新です。
7月21日17時30~の回を観劇して参りました!
本当に、もう終演後はため息しか出ないくらい重くて、緻密で、繊細で最高な舞台でした。
☆公演内容、大いに演出バレ含みますので、もうこの段階でまだ観劇済みではない方と
ネタバレは避けたい方は読まないことをおすすめします。
よろしくお願い致します。
では、雑記・感想スタートです。
(とりあえず、雑記と観劇してストレートな感想を綴ります。
個人的考察はまた別の記事にて・・・・・・)
今回は急遽、一緒に行くはずだった友人がいけなくなってしまい、友人の友人審神者様(骨喰くん推し)と観劇してきました。
舞台刀剣乱舞 知識レベルとしては恥ずかしながら、
燃える本能寺初演、再演しかみていない私が語りますのであしからず。
会場は日本青年館ホール。
私、盛大に道に迷うの巻。
日本青年館ホールというと私の中でミュージカル薄桜鬼とペダステを観に行って思い出深い会場だなぁという印象からスタートしたのですが、その当時の劇場とは姿が変わっていました。いつのまにか建て直ししていたんですね。
綺麗な外観と綺麗な内装、劇場と言うよりなにか音楽ホール?のような上品さでした。
座席は二階席の前の方で、近い!というよりは真上から見下ろす感じでした。
殺陣や立ち回りの多い舞台では全景を把握するのには良席だったかなと思います。
ただ、役者さんの正面からの芝居をみたかったなという欲もありますが、舞台刀剣乱舞のチケット倍率を考えると観劇できるだけで幸せ空間なので、オールオッケー!です。
さて、開演。
耳に刺さるような爆音と足利義輝の立ち回りからのスタート。
最初からクライマックスといわんばかりのたたみかけに引き込まれずにはいられない。
鵺と呼ばれる刀剣男子(仮)が誕生して、不穏な雰囲気のまま、オープニングに入り、各刀剣達の個性際立つ殺陣。
開いた口がふさがらない・・・・・・役者の皆さんの動きに圧倒されました。
日常パートと極め修行開始
今回の公演は日常的な本丸のシーンはほとんどなかった気がします。
貴重なほのぼの場面。
・手合わせの稽古をする大包平さんの三日月さんにいちいち食ってかかる猪突猛進ぶりが良かったです。小烏丸様の優雅かつ、素早い動きはもはや舞いのレベルで美しい。
・燭台切さんと歌仙さんのお料理タイムもほのぼの度200%。マグロを解体しつつも、マグロの部位を図を用いて紹介し、なんなら歌いましょうか?と良質なビブラートを届けて下さった燭台切さんお客様満足度100%でした。(これだけでもずっと見ていられる気がする)
極め修行へ
長谷部さんと不動くんは自分の強さや主の更なる力になるために信長さんのいらっしゃる時代へ修業に出ます。二人とも少し異なる場所で、自分にあった人と土地で修行を開始。
長谷部さんは武士でありながら、畑仕事が性に合っているという男と畑仕事をします。
休憩に出されたものはおはぎ・・・・・・。あの有名なおはぎの宴のおはぎなのだろうか。
ほのぼのパートが終了した頃、刀剣男士達は歴史を守るためにいくつもの時代に赴きますが、赴く先で毎回出くわす刀剣男士(仮)と遭遇。刃を向けてくる彼は敵か、味方か。
ある時代の戦いで三日月さんと対峙する刀剣男士(仮)
刃を向けてくるので交戦するものの、見逃してあげる三日月さん。
それを見てしまう燭台切さん。
不穏が不穏を呼び、加速する不審感。
ひとまず、戦いが落ち着き本丸で軍議が行われる。
心、ここにあらずな三日月さん。
周りが三日月さんを心配する中、一人悶々と己と葛藤する燭台切さん
(ここの燭台切さんの言うべきか、言わざるべきか、でも確信のないことをいうのもなぁというような優しい芝居が胸にささりました)
不審な刀剣男士(仮)から複数の刀の気配がするということで、とりあえず、彼を鵺を称する一同。
軍議が終了して、燭台切さんの異変を心配する大般若さんと歌仙さん。
優しい気遣いに優しい気遣いで返す燭台切さんは二人には何も言わずに平然を装うことでやり過ごす。(優しさは気を遣う方からしたら、穏やかな柔らかい暴力性を感じて胸が苦しい。共有してくれない事悩みほど、苦しいものはない気がする)
また、三日月さんの心ここにあらずを察知する鶴丸さんと小烏丸様。
ここの三人のやりとりも胸に刺さる。
気を遣うことの対比が苦しい。
私的には燭台切さんを支えたい、共有して一緒に悩んでいきたいからと気を遣う。
大般若さんと歌仙さん。
三日月さんに関しては、お前の悩みはお前しかわからないから何にも力になれないけど、何か力になれるならそのときは言ってくれ。お前の様子を見ていると悲しいよと
一定距離離れたところから気遣う鶴丸さんと小烏丸さん。
「心が非ずで悲しい」の台詞が痛々しい。
周りの気遣いをよそに、何も話さない燭台切さんと三日月さん。
突然、襲われる本丸。
本丸の位置が時間遡行軍に見つかり襲撃開始。
訳もわからず流れるままに戦い、数の多さに悪戦苦闘。
その中、再び鵺と対峙する三日月さんが鵺を見逃す。
これを見ていた燭台切さんの三日月さんへの不審感が確信に変わり、激昂する。
強すぎる三日月さんから致命傷をうける燭台切さん。
鵺と同じ道を行くことを決めた三日月さんとそれを追う骨喰と大般若さん。
三日月さんの裏切りと本丸に次々と現れる敵にもうだめかと思われたそのときに、極修行を終えた二降りが帰還!!
この展開は胸熱でした。
そして、そして、まさかの主様の登場にも高鳴りました。
主様の尽力もあり、難を逃れた本丸は多大なる損傷と疲弊、三日月の裏切りでみんなの心が弱っていく。
意外にもここでみんなを鼓舞するのは不動くん。
心を固めさせるように動いたのは小烏丸様。
周りに突き動かされるように覚悟を決めた山姥切さんは三日月さんと骨喰くん、大般若さんを連れ戻すことを目的に出陣をする。
そして、時を同じくして
「三日月宗近 刀解」の命令が政府から出されます。
ここからは、各々の殺陣のかっこいいシーンが次から次へと出てきます。
皆さん動く動く、刀を振るう振るう。
この場面は切って殺すのはお手の物と言わんばかりの凄まじさ。
戦闘シーンが落ち着いた頃に、今回のサブタイ結いの目の不如帰に焦点が当てられて、
どうして、三日月さんがこのような行動に出なければならなかったのかが曖昧に語られます。核心をついた話し方をしてこないところがなんとも三日月さんらしい気もします。
どうにも、今回の本丸襲撃は三日月さんが結いの目といわれる歴史の一種の特異点になってしまっていたのが原因とのことなのです。
その事実と向き合わなくてはならなかったのが近侍、部隊長を担う山姥切さん。
向き合った先で歴史が山姥切に降り注がれる。
それは間違いなく、自分たちが守った歴史と自分たちが2205年に存在するまでに歩んだ歴史。
その先に待っていたのは真っ白な刀剣男士の力を保てなくなった。
三日月さん。
この真っ白なお姿がすごく神秘的かつ、儚かったです。
最後の最後の一騎打ち。
三日月さんと山姥切。
目の前の煤けた太陽との関係を断ち切るように大きく、俊敏に斬りかかる三日月さん。
目の前の月を倒したくないけど、倒さなくてはいけない葛藤まじりで応戦する山姥切さん。
あと、数センチで相手を殺せたはずなのに、桜となって散る三日月さん。
その存在をを確かめるように、愛おしむように抱えて、何もない空間を抱きしめて泣き続ける山姥切さんがすごく人間的でした。
小烏丸さんが最後に
心が非ずで悲しいというのに、心があっても悲しいというのは矛盾しておるのみたいなことを言うんですけど、彼らは本来、刀なんですよねと再認識して本当に涙が止まりませんでした。
そして、そして、私の大好きな番傘エンディング。
番傘のフォーメーションが綺麗で、各々のお辞儀が好きで、曲も良くて最高でした。
ダブルコールもしてくれて、大満足です。
刀ステはカテコであいさつがないところがまたおつなもんだなぁと思いました。劇中の台詞で刀なら言葉交わさずとも刃を交えた方が早いみたいなこと言ってましたけど、そういうことなんでしょうね!
大まかなストーリーを回想して満足してしまい、足利義政と鵺のエピソードを端折ってしまった・・・・・・。
語り尽くせない。
悲伝は重い。
想いが重くて、思いが悲しい。
私の記憶も曖昧なのが悲しい。
いい意味で、気持ち悪くなるくらい重厚で、濃厚な3時間半でした。
エーステの時も思ったけれど、ここまで舞台として再現してくれると
刀剣乱舞好きでよかったなぁと感謝しかないです。
本当にありがとうございました。
次回作もあるのであれば絶対行きたいと思います。
とりあえず、漠然とした感想!完
舞台「A3 MANKAI STAGE Spring&Summer2018」 感想 Ⅱ
舞台「A3 MANKAI STAGE Spring&Summer2018」 感想Ⅱ
個人的な役者さんの感想です。
忘れないうちにちゃっちゃと書いてしまいましょう。
とはいえ、もう記憶的には曖昧になりつつあるのが寂しい今日この頃。
いざ!
スタート!
とりあえず役者さん皆さん顔がいい。
顔が良いのは当たり前なのでは?
と思うんですが・・・・・・
顔良し、スタイル良しは役者さんなので普通のことではあると思います。
ですが、私の持論の2.5次元ものの顔がいいというのは
キャラクターの衣装とウィッグの相性が良い!ということなんです。
全く違和感がありませんでした。
「今宵も感想を語って聞かせましょう」
「長い、三行で!」
以下個人的な感想です。
春組
佐久間咲也役(横田龍儀さん)
・声はゲームに比べると低めなのに、もう咲也くんそのものでした。
多分しゃべり方を意識されているんだなといった感想です。
・立ち方とか仕草なのかなと思いつつも、がむしゃら感とまっすぐさがカンストしていました。
・松川支配人との絡みは毎回かわいかったです
碓氷真澄役(牧島輝さん)
・圧倒的碓氷真澄。クールさと監督愛はゲームそのまんま。
・声は白井さんにそっくりで違和感なくすんなり真澄くんとして見れます。
・殺陣の身のこなしがスムーズかつキレがすごい。見応え100%。
皆木綴役(前川優希さん)
・見た目も芝居も良い意味で素朴で平和的。
・圧倒的お兄ちゃん感がすごい。
・台詞を言ってなくても存在、雰囲気から皆木綴を感じてほしい。
シトロン役(古谷大和さん)
・シトロンさんの解釈がすごい。テンポも間の取り方も動きもシトロンさんそのもの。
・もはや古谷さんはシトロンさんなのかもしれない。
・シトロンさんの歌パートで元気100倍チャージ出来る。
茅ヶ崎至役(立石俊樹さん)
・立ち姿、スマートな振る舞い、王子様オーラTHE 茅ヶ崎至。
・歌とダンスがうまい。
・ガチゲーマーというよりはマイルドゲーマーやさしみの深い至さん。
夏組
皇 天馬役(陳内将さん)
・あなたが天馬くんで良かった。本来の役者経験値が、芸歴の長い天馬くんのイメージにぴったり。
・座るたびに足を組む横柄な座り方がたまりません。
・シリアスな芝居からギャグな芝居まで幅広くこなし。表情がころころ変化するところは観ていて飽きずに必見。
瑠璃川幸役(宮崎湧さん)
・とにかくかわいい。(本当に女の子に見える)
・声は土岐さんそのものような声色。
・動きも幸くんならこう動くんだろうなぁといった感じでかわいく動くところと、男らしく動くところのメリハリがすごい。
向坂椋役(野口準さん)
・圧倒的、椋くんそのまんま
・動きはコミカルでおどおどとしているのに舞台の中の舞台では大胆、自信満々にシンドバットを演じるギャップがすごい。
・幸くんと椋くんのフライヤー配りの際の包容力が客席の涙を誘ってました。
斑鳩三角役(本田礼生さん)
・身体能力OBAKE(キレッキレのダンスは要チェック)
・この人しか斑鳩三角は出来ないのでは?と思うくらいには違和感もなにも存在しない
・舞台の中の舞台上の豹変ぶりがすごい圧巻
三好一成役(赤澤燈さん)
・カズナリ・ミヨシの再現率100%。現実にいそうな感じ100%
・舞台上を誰よりも動き回って、一人でいる子の下にフォローに行ったり、喧嘩の仲裁にいち早く入ったり、写真を撮りに行ったりとゲームよりもお兄ちゃん感溢れていました。
・カラダがばっきばきに鍛えられており、アラジンの衣装がとても似合う。
大人組
鹿島雄三役(滝口幸広さん)
・存在感で舞台上の空気が一気にしまる。
・突っ込みのテンポが鋭いそしてうまい。
・少し若めの鹿島雄三。
松川伊助役(田口涼さん)
・ドジっ子支配人が目が離せないとてもかわいい。
・ドジっ子で立っているだけでも頼りないのに、底知れぬ力を持っていそうな感じは田口さんの魅力なのでしょうか。
・声優小西さんの松川支配人とはまた違った魅力の支配人ここに誕生。
古市左京役(藤田玲さん)
・立ち居振る舞いがTHE古市左京。
・重厚なキャラ解釈故、出番は少ないながらも圧倒的存在感。
・監督さんに対する話し方がどことなく優しく感じる。秋冬公演は絶対に続投希望です。
迫田ケン役(田内季宇さん)
・私自身一番再現度が高かったのは彼ではないかと思います。
・所々出てくる左京のアニキとの食べ物会話(多分日替わり)の内容のチョイスが最高。
・腰を低くして歩くのも似合っていて、是非秋組公演も続投して頂き、涙ながらに左京のアニキに感想を述べる姿を見たい。
とりあえず、書き切りました。
総じて、役者さん一人一人のクオリティが高すぎてファンとして本当に嬉しくて、
愛を感じて、A3!っていうコンテンツに感謝しかありません。
最後に
演出の松崎史也先生、その他のメインスタッフさん
運営スタッフさん、各所のスタッフさんにも多大なる感謝をこめて
ありがとうございました!
個人的な感想これにて
完
舞台「A3 MANKAI STAGE Spring&Summer2018」 感想Ⅰ
舞台「A3 MANKAI STAGE Spring&Summer2018」 感想Ⅰ
6月29日 19時~の回を観劇してきました。
とても良かったので記事を書きたくて書きたくてうずうずしながら帰宅しました。
☆がっつりと舞台演出バレ含みますので、もうこの段階で公演バレは絶対嫌な方は読まないことをおすすめします!
とりあえず、バレ含むのオケマルー!っていう心にカズナリ・ミヨシさんがいらっしゃる方だけこのまま読んでいって下さいませ。
いざ!
ここ一年ほど2.5次元の舞台を見ていなかった私が久々に観劇して感激してしまった話。(以前は結構観劇してました)
劇場は天王洲銀河劇場。キレイな外観と、キレイな客席に広めの舞台。
私個人的には音良し、照明良し、どの座席からでも見やすいという点で好きな劇場です。(機会があれば劇場別おすすめポイント記事とか書きたいです)
さてさて、開場して座席に待機。私は三回席の最後列の真ん中。あまり経験しない座席ですが流石は銀劇最後列であっても見やすい。全景を観たい派の私は満足です。
(まぁ、役者さんの表情芝居までチェックしたい方はオペラグラスが必要ですね)
場内アナウンスの声が優しい。良い声である。
私の予想は松川支配人の声だと思います。(このアナウンス劇中にも使われるから本当に驚かされました)
開始5分前の前説のような場内アナウンスは多分日替わりなんだろうなぁと思います。
本日は三好一成さんご担当でハイテンションアナウンスがかわいくて、良くて、もう5分前から私のテンションかなり上がっていて、期待値もぐーんと上がりました。
開幕。
咲也くんの一人語りからオープニング。
皆さん踊る踊る。それ華やかにしなやかに、歌も歌っちゃう伸びやかに。
至さんもしなやかに華麗に踊られていました。
キャラクター、一人一人にスポットが当たりアニメのオープニングのようにただ魅入ってしまう、かっこいい演出は本当に見物です。
そして、オープニングが終われば春組のメインストーリースタート。
各々の入団時のお話は端折られていましたが、違和感がないように松川支配人が春組メンバーの入団理由の話をカバーして進みます。
春組個人のエピソードは監督と二人で語るという形で進んでいくんですが、
監督は今回実在せず、客席の監督に語りかけるという方法で進みます。監督さんは妖精みたいな存在でした。
この監督と語る際役者にスポットが当たるんですが、各々のイメージフラワーが背景に映し出されます。(夏組も同様)
本当に細かい。素晴らしいですね。感動しました。
そして、所々歌います。それはキャラクターの心情が表れなきゃいけない場面に絶対あります。どの曲も最高です。
メインストーリーは止まることなく続いてゆき、とうとう劇中公演日。
舞台で舞台をやるわけだけど、どういう演出をするんだろうと思っていました。ゲームの中でも、あまり深くは描かれていないだけに・・・・・・私の杞憂でした。
「舞台で、舞台をやってやりますよ!」
そんな声が聞こえてきそうな演出で
舞台で舞台をしていました。
公演衣装の再現度素晴らしいです。(夏組含め)
それもただのダイジェストではなくて、王道舞台を本当に凝縮した舞台。
歌、ダンス、殺陣。(あれ、これだけで1時間使っているのでは?と錯覚するような内容)
その重厚なものを見せられてしまって思考停止。
思考停止中に一幕、春組のターンが終了して休憩に入りました。
休憩に入っても思考がままならない程の満足感が押し寄せてくる。
まだ、2幕あるんだけどなと思いました。
では、夏組ターンスタート。
夏組はオーディションからスタート。
ここは各キャラの演技経験値の差が上手く表現されていて、震えました。
そこからはメインストーリーと春組同様に各々のエピソードは監督と語り、歌を交えながらテンポ良く進んでいきます。(重要な時には松川支配人が説明フォローします)
夏組はよく動く、よく座るといった印象です。
私は夏組の人たちがよく座るので座り方を観ていたんですけど、役者さんの解釈がとてもすごい。
天馬くんは自信満々に背もたれにもたれるように座るし、幸くんは少し内股気味で、三角くんは主に体育座り、カズナリ・ミヨシはよく足組むし、椋くんは自信なさそうに小さく座っていて私的満足です。(え、春組はと思いますよね。春組は私の記憶ではあまり座っていなかった印象です。基本立つか、寝るかだった気がします。春組は立ち方が良かったですね)
☆役者さんの感想は別に書きます。
ストーリーは進み、舞台の舞台がスタート。天馬くんのゲネプロでトラウマが蘇ってしまうシーンの作り方もなるほどなるほどと思いながら観てました。
舞台の舞台は春組の王道とは少し毛色が変わっていて、こちらも良かったです。
夏組は小道具、テンポ、ダンスっていう感じが素晴らしかったです。
またも思考停止するほど、舞台の舞台に魅入ってしまい
気づいたら、カーテンコール!!
おやおや、もうカーテンコールかと内心寂しさを感じ始めていた頃に
爆弾が投下されます。
まてまて、恒常SRお衣装ではありませんか。(公演衣装だと思ってました)
冨士原先生のデザインが神ですね。実写化を想定してのデザインですかといいたいくらいに役者さんが着て違和感全くなし。むしろおしゃれ。
そして、踊る、歌う、もう眼福でした。
「あぁーすごい、楽しかった」
よし、もう終わりかぁ。
突如、周りがざわついて、私自身は何が起こったのかわからなかったのですが、
横を向くと至さんがいらっしゃっておりました。
客降りって3階席にも
いらっしゃるんですか?
造形美とオーラが眩しかったです。
そして花型のペーパー?を蒔いていかれました。
私は座席的に頂くことはかなわず。
おや、またざわざわ
反対方向にはシトロンさんと松川支配人の姿が・・・・・・
客降りって3階席にも
いらっしゃるんですか?(本日二回目)
またも花型ペーパーには手が届かず、こちらも造形美とオーラが眩しい。
これはまずい、本当に2.5次元の世界に来てしまった。
本日三回目の思考停止。
カーテンコールが終了し、幕が下りた舞台。
拍手鳴り止まない劇場。
ダブルコールで出てきてくださったのは春組リーダーと夏組リーダーのお二人。
私はカーテンコールの役者目線なのか、キャラ目線なのか、それとも中間なのかという曖昧な立ち位置でお話しされる感じが大好きなのですが
このお二人はあくまでキャラとして出てきてくれたようです。
最後のあいさつで噛んでしまう天馬くんは最後まで俺様で、(噛んだのは)俺のせいじゃないとおっしゃる。それを優しくすみません俺のせいですってフォローしてくれる咲也くん。お二人にしびれました。最高です。
と、言う感じで終幕でした。
「さぁ、帰ろうかな」
まぁ、まてまて開幕アナウンスがあったろ。と、言わんばかりに聞こえてきたのは陽気なゆっくりとした声、そしてかわいい内容。
閉幕アナウンスは三角くんでした。
アナウンスを聞き終わって、会場を後にしましたが本当に満足感がすごいです。
お客様満足度は120%超えてくるんじゃないでしょうか。
ファンとしてもここまで細かくキャラクター解釈や演出に凝って頂けると嬉しくて仕方がないです。
秋組公演と冬組公演も今から楽しみです。
絶対観に行きます。
舞台全体感想として綴ってきましたが、忘れてはいけない
雄三さんと左京さんと迫田さんの話をするのを忘れていました。
ぐぐぐ
キャスト別感想も書きたいのでそちらに書きます。
あっという間の2時間の公演、感激の連続でした。
書いてすっきり満足です。(少し記憶曖昧部分もあります)
詳細を書きすぎるのはなんとなく気が引けたので大まかな感想ということで
読んで下さる方いらっしゃったら、長々とおつきあいありがとうございました。